古河サポーターズ

シリーズ累計63万部を突破した書籍『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』の著者で、昨今の「絶景」ブームを牽引し、流行語大賞にもノミネートされた“絶景のプロ”詩歩さん。たくさんの絶景を開拓してきた詩歩さんに、古河市の印象を伺ってみました。

「地元は静岡県の浜松市なんですけど、ちょっと雰囲気が似ているかもしれません。緑がありながら幹線道路も通っていて、適度に田舎というか。大学入学と同時に地元を出たのですが、離れてみると、住んでいるのに知らなかった魅力的なスポットがたくさんあることに気づきました。
私は、絶景の条件として“目で見て美しいと思える風景であること”と“わざわざそこに足を運びたくなるオンリーワンのストーリー性があるか”の2つを大切にしているのですが、絶景だと思う感性って十人十色。例えば、昔から慣れ親しんでいる場所を条件にしてもいいですし、人それぞれが思う絶景というものがあると思います」
今回は、詩歩さんにお話を伺いながら、古河ならではのストーリー性のある絶景スポットを見つけていきます。

古河の素敵なスポットを求め車を走らせていると、ところどころに美しい花畑が見えてきました。車を停めて近づくとかわいらしい蕎麦の花が咲き誇り、淡くやさしい世界が広がります。古河市では、このような広々とした畑を各所に見ることができます。その畑では、蕎麦のほかにもトウモロコシやキャベツ、根菜などさまざまな農作物が作られているんです。
古河市では、蕎麦のほかにもトウモロコシやキャベツ、根菜などさまざまな農作物が作られています。ブランド化こそされていませんが、全国から取り寄せられるほどおいしいと評判なのはご存知でしたか?北海道の方が古河のトウモロコシを仕入れている、なんて話があるとかないとか……。

「蕎麦の花をずっと撮影してみたかったんですけど、なかなか季節やタイミングが合わず……今回初めて見ることができました! 蕎麦を特産としている県では、それこそ有名な撮影スポットになっていたりしますが、この地域では生活の一部としてなじんでいるんですね。
今日は蕎麦畑に巡り合えましたが、古河市は田んぼもたくさんありますよね。水張りの時期は、朝日などの太陽の光が反射したりして、鏡面の美しい景色が見られるのではないでしょうか? 私は水張りのタイミングを狙い、わざわざ地方まで足を延ばして撮影をすることもあります。地域によって田植えの季節が全然違うので、古河に住んでいるからこそ分かるベストな時期を探すのもいいかもしれません」

きれいな花に癒され、次に向かったのは、蕎麦畑を所有する農家「森ファーム」。併設するレストラン「ゆるりの森」では、自家栽培の蕎麦やオーガニック野菜が食べられます。

どのメニューにも古河産の野菜をたっぷり使用していますが、詩歩さんが選んだのはサラダや前菜、揚げたての天ぷらが楽しめる「畑のごはんセット(きのこ汁に変更)」。野菜は収穫した採れたてを提供しています。
「森ファーム」だけでなく、道の駅「まくらがの里こが」やスーパーでも、おいしくて新鮮な地元産の野菜をリーズナブルに買えるのも古河の魅力ではないでしょうか。

「野菜の味が濃くて、とってもおいしいです。新鮮な食材が食べられるし、地産地消って感じがしていいですよね。私が住んでいるところはきゅうりが3本で300円もしたりと野菜が高いので、羨ましいです。住んでいると当たり前に思えちゃうけど、外から見ると結構すごいことだったり……あっ、きのこ汁もお出汁がしっかり利いていておいしい!これは蕎麦湯で割って最後まで楽しみたい……!」

野菜のおいしさと古河の魅力を噛み締めながら、素敵なランチタイムを楽しみました。

お腹も満たされ、次に向かったのは「KDDI八俣送信所」。広大な緑の中に巨大な鉄塔がいくつも並ぶ、近未来な雰囲気と自然が相まった不思議な景色です。こちらの送信所では、日本で唯一海外向けに短波放送を発信していて、世界と日本をつなぐ大切な役割を果たしています。

「なんだか宇宙と交信しているみたいな風景ですね……。古河の方にとっては普通の景色なのでしょうか?

高校生の頃、自転車で1時間かけて通学していたのですが、広大な玉ねぎ畑の中を走っていたんです。そのときは何とも思っていませんでしたが、大人になってブランド玉ねぎの畑ということを知りました。街のことを知ると見える景色が変わったり、素敵な場所を発見できるはず。古河にもきっと、そんなスポットがまだまだ隠れていそうですね」

続いて、古河市民に愛されている公園「ネーブルパーク」にやってきました。ネーブルは英語で“ヘソ”という意味があり、関東平野の真ん中にあることや、親子のつながり合う場所になって欲しいという願いから名付けられたのだそう。由来の通り、週末は古河っ子をはじめたくさんの子どもたちで賑わいます。
公園を象徴する大地の広場には、巨大な彫刻石が並びます。「おヘソのオブジェ……?」と言いたげな表情の詩歩さんですが、こちらは太陽系をイメージしたオブジェです。

公園の入り口付近にはキスゲの花が咲き始めていました。6月中旬〜7月上旬の満開時には、黄色やオレンジの花畑が広がります。キスゲだけでなく、古河公方公園など古河の各所で桃(はなもも)や桜、大賀ハスなど様々な花が楽しめるのも魅力のひとつですね。

※ ポニーのエサあげは、土・日・祝日の11:30~11:50、15:00~16:00(その他は要問合せ)

公園を歩いていると、ポニー牧場を発見!「ポニー大好きです! 何度か乗馬したこともあります」という詩歩さんに、エサあげを体験してもらいました。
自然や植物、動物との触れ合いを思う存分満喫し、次の“こがでくらスポ”へと向かいます。

古河城出城跡にある歴史博物館周辺に到着。この地域の一帯は城下町だったこともあり、趣のある街並みが続きます。せっかくなので、車を降りて歩いて散策していると、古河の方にはなじみ深い「雀神社」に巡り合いました。参道を沿うように木々が生い茂り、神秘的な雰囲気です。

参拝中、本殿の正面に猫ちゃんが鎮座! 猫好きだという詩歩さんは、ありがたや〜と言わんばかりに深々とお辞儀をします。
「散策してみたおかげで猫ちゃんに会えました。雀神社は猫ちゃんを推しているわけでもなさそうなので、きっと普通の光景なんですよね。私は大興奮でしたが……」

「住んでいると毎日同じ道しか通らないし、当たり前の風景になってしまいがち。でも、地元にこそまだ知らない美しい景色や魅力ってたくさんあると思います。気づき方はいろいろだけど、私は改めてGoogle Mapで調べたり、地元の新聞や観光サイトを読んでみたりしました。いつも行かない道を選んでみたり、時には歩いてみたりするのもおすすめですよ」

たくさんの景色を見てきた詩歩さんだからこその視点ですね。「こがでくらすと」が、古河の魅力を再発見してもらえるきっかけになりますように、とこっそり猫神さまに願いを込めてきました。

詩歩さんとの旅の終わりに選んだのは、古河市民の生活を支える「三国橋」。三国橋は渡良瀬川に掛かり、下総国(茨城県)、下野国(栃木県)、武蔵国(埼玉県)の三国を跨ぐことから名付けられました。普段、河原からは夕焼けが見えるのですが、この日はあいにくの雨……。詩歩さんの心の目で夕日を想像してもらいます。

「周りに高い建物がなく空が広いので、きっときれいな夕日が見えるんでしょうね。古河のみなさんはここから見える夕日が好きという話を伺ったので、今日は見られなくて残念です……。今回のように日帰り旅だと夕日が見られないこともあるので、毎日帰り道にこの河原を歩きながら夕日が見られると想像したら……とっても素敵じゃないですか。

私の地元にも夕日がとてもきれいに見えるスポットがあるんです。でも、住んでいた頃は全然知らなくて、地元を離れてから写真に収めに来る人がいるくらい素敵な場所ということを知りました。当たり前にあることを大事にしていけたら、暮らしも豊かになりますよね」

三国橋の隣に掛かる新三国橋を撮影した日の夕焼け

「これまで、たくさんの絶景を見つけてきて、地元の方から感謝の言葉をいただくこともありました。その中でも特に、茨城の方からの「こんな場所があったんだ」というお声が本当に多いんですよ。三国橋の夕日も、土手を走っている自転車と一緒に横から撮影してみたら……と、いつか見られた時のことをすでに想像しちゃいます。

普段、当たり前すぎて通り過ぎてしまっている場所も、少し視点を変えるだけで絶景に見えることがあります。ぜひ、地元の良さを再発見してみてください」

編集・執筆/vivace
撮影/横田裕市

詩歩さんと訪れた”こがでくらスポ”