古河サポーターズ
お笑い芸人・つぶやきシローさんが伝統ある"古河提灯竿もみまつり"の体験イベントに参加!
「古河の魅力ってどんなところだろう?」暮らしの中では当たり前で気づきにくいけれど、外から見てみると...いろいろな分野の方にプロならではの視点で「こがでくらすと」を語っていただく企画の第7弾。今回は、例年12月に行われている『古河提灯竿もみまつり』の体験イベントに、古河と祭りゆかりの地・栃木県野木町で幼少期を過ごしたつぶやきシローさんが参加。160年にも渡り古河の暮らしを彩る祭りの魅力を深掘りしていきます。
1971年3月10日生まれ。茨城県古河市で生まれ育ち、10歳で栃木県野木町に移住。なまりを交えながら日常の小さな不満やあるあるを"つぶやく"ように語る独特のスタイルで一世を風靡し、テレビ出演やナレーション、書籍出版、SNS発信など多方面で活躍中。
『古河提灯竿もみまつり』とは?
『古河提灯竿もみまつり』は、市内各団体が20mの竹竿の先に提灯を付けて激しく揉み合いながら相手の提灯の火を消し合うお祭り。江戸時代から続き、"関東の奇祭"と呼ばれるほどユニークな伝統行事です。
例年12月に行われ、開催場所である古河駅周辺は屋台なども多数出店して賑わい、古河の冬の風物詩のひとつです。競技は子ども部門と大人部門に分かれ、世代問わず参加ができます。
古河と祭り発祥の地・野木町で生まれ育ったつぶやきシローさんと祭りの歴史について学ぶ
9月上旬。2025年12月6日(土)に開催される『古河提灯竿もみまつり』に先んじて、祭りに使用する竹竿づくりや竿を動かす練習を体験できるイベントが実施されました。祭りの魅力を古河市民に広げたいと一般社団法人 古河青年会議所が中心となって企画した、既存の枠を越えて古河市民なら誰でも参加できる初めての試みです。
まずは祭りの歴史など知識を深めながら、つぶやきシローさんと古河の思い出にも触れていきます。
つぶやきシローさん(以下:つぶやきシロー):幼少期、古河には10年ほど住んでいました。10歳で栃木県野木町に移り、18歳で上京。デビュー時、野木町に実家があったため栃木出身としていますが、古河の方が長く住んでいたことになりますね。
古河に住んでいた頃は、両親が商店街で八百屋を営んでいて、ご近所さんとの付き合いも多かった記憶があります。
夏には商店街で祭りがあり、近所のおっちゃんに怒られながら山車を引いたっけな(笑)
屋台で食べ歩いたり、友達と会うのが楽しかった。提灯竿もみまつりに足を運んだことはないけれど、お祭りには楽しい思い出が多いですね。
『古河提灯竿もみまつり』は、江戸時代から160年以上続く歴史のある祭り。その昔、古河藩領(現・栃木県下都賀郡野木町)であった野木神社の神官が、7つの末社をめぐる神事「七郷めぐり」を終えて帰社する際、提灯を持って出迎えた人々が寒さをしのぐために揉み合ったのが始まりだそう。
つぶやきシロー:野木にゆかりのある祭りとは、親近感が湧くなぁ。それに、20mの竹竿をぶつけ合うという、昔からの形を変えずに160年間の伝統を守り続けているのも魅力的。
まさに奇祭って感じだけれど、もっとたくさんの人に知られてもいい気がするよね。どれぐらい盛り上がるのか楽しみです。
コロナ禍での中止なども乗り越え『古河提灯竿もみまつり』が守られ続けるのは、継承していく市民団体の熱意があってこそ。
今回のイベント主催者・(一社)古河青年会議所の谷村さんにイベント開催についての思いを伺いました。
谷村さん:僕は古河で生まれ育ち、提灯竿もみまつりは物心付いたときから身近にありました。進学・就職でしばらく古河を離れていましたが、帰郷して祭りの素晴らしさを実感。祭りの魅力を伝えたいと思うようになりました。
古河市は1市2町が合併して大きくなったにも関わらず、祭りに参加する団体は年々減少しています。もっと市全体での認知度や親しみやすさを高め、祭りを盛り上げたいとイベントを開催しました。
谷村さんのように、(一社)古河青年会議所では20歳~40歳までの青年経済人が集まり、地域の課題解決のため日々活動をしています。
今回のイベントでは"地域の伝統行事を次代に繋ぐため"に「興味があるから祭りに参加してみたい」「居住地域で参加できなくなったけど、また祭りを楽しみたい」という方を募りました。今年度の祭りには、応募者と(一社)古河青年会議所がタッグを組み新規チームを構成し参加する予定です。
さて、ここからは『古河提灯竿もみまつり』の要となる竹竿づくりに挑戦していきます。
提灯竿もみまつりの要! 竹竿づくりを体験する
祭りの要ともなる竹竿には、繋ぎ合わせたりせずに自然のまま1本の竹を使用。長い竹は割れやすく繊細なため、竹の性質を生かした細工を施していきます。
竹竿づくりを教えてくれるのは、一般社団法人古河市観光協会の伝統まつり部会長・小林さん。こちらは、竹に木棒を貫通させていく作業で、穴の大きさを緻密に計算して工具で穴を開けていきます。
つぶやきシロー:子どもの頃は竹馬などを自分でつくって遊んでいたものだけど、竹細工をするのは何十年ぶりだろう。こんなに計算して穴を開けないといけないなんて......木棒を削って調整するのはダメなの?
小林さん:木棒の太さも計算されているから、ダメです!(笑)あと、竹は縦に割れるから少しずつ削らないといけないのも難しいですよ。
竿を折れにくくするには、しっかり乾燥させることが大切。火で表面を炙り、油を抜いていきます。竹の乾燥には2〜3ヶ月かかるので、夏から祭りの準備をするのが慣例です。
各参加団体は毎年竹竿や提灯の改良に取り組むため、頻繁に会合を持っているそう。何ヶ月も前からチームワークを育み、士気を上げていくことで祭り当日のパフォーマンスにつながるのですね。
つぶやきシロー:最近だと、近所の人とコミュニケーションを取る機会ってなかなかないけれど、こうやってまちの人と一致団結して絆が生まれる祭りが身近にあるってすごくいいよね。さまざまな世代と交流ができるし、子どもたちにとっても貴重な経験ができる機会なんじゃないかなぁ。
(一社)古河青年会議所の取り組みにより、「古河提灯竿もみまつり」をキーワードとした、市民同士の新たな交流が生まれました。伝統行事を大切にすることは文化や技術の継承はもちろん、地域の結びつきも深めます。こうした活動が、今後の暮らしやすさにもつながっていくことが期待されます。
最後は実践! 手づくり竹竿で祭り本番に向けて技を磨く
無事に竹竿も完成! 参加者みんなで竹竿を立ち上げ、祭りに向けた練習をしていきます。
20mの竹竿を20人ほどの大人で支え、バランスを保ちながら揺り動かしていきます。竹竿の先端が大きく揺れることで相手団体の竹竿や提灯にぶつかり、攻撃が仕掛けられるのです。
つぶやきシロー:竹竿が想像以上に重くて、立ち上げるだけでも一苦労。さらに揺らさなきゃいけないから竹がしなってものすごく大変です。これはチームワークが必要だし、かなり練習も必要なんじゃないかな。
竹竿づくりから練習まで体験し、かなりモチベーションが高まっている様子のつぶやきシローさん。祭りの歴史やもみ手を経験した感想を伺いました。
つぶやきシローさんも夢中になる『古河提灯竿もみまつり』
つぶやきシロー:祭りの内容を聞いたとき「長い竹をぶつけ合うとは......?」と全然想像が付かなかったんだけど、実際にやってみたらすごく気持ちが昂りました。
竹竿を手づくりして愛着が湧いたし、力を合わせて竹竿を支えて心がひとつになった気がしましたね。
リアルなことでいうと、竹竿の持ち方や動かし方など、想像以上にコツが必要で難しかった。
160年も経っていたらもみ竿の形やルールが変わりそうなものだけれど、古人の知恵や技術がブレずに引き継がれていて。いい意味でアップデートされていない。
今日の体験は昼間だったけれど、12月の祭りは夜がメインだもんね。提灯に火が灯って、参加者が法被を着ているってなったら......とてもきれいだろうし気分もより高まりそう。
いつか祭りも参加してみたいなぁ。なんだったらリーダーとしてチームを引っ張っていきたいぐらい。
とつぶやくぐらい提灯竿もみまつりへの期待感は高まり、本番のイメージも溢れるように沸いているようでした。
体験イベントを主催した(一社)古河青年会議所の皆さんも参加する『古河提灯竿もみまつり』は2025年12月6日(土)に開催される予定です。
ぜひ、皆さんお越しくださいね。
【開催情報】
『古河提灯竿もみまつり』
開催日:2025年12月 6日(土)
詳細はこちらをご覧ください。
https://www.kogakanko.jp/chochin(新規ウィンドウで開きます)(外部サイト)
編集・執筆/vivace
撮影/寺田拓真